射法八節のコツ①~足踏み~

弓道~射法八節~

「足踏みってただ足を開くだけの動作じゃないの?」
「足が平行に的に向いていたらいいだけじゃないの?」

実はこの動作、弓道をする上で一番大切!!
一足・二足とあるように流派にもよりますが、意識することは共通しています!!

足踏みのポイント
①射法八節の一番最初の動作になる!
 →別記事で書きますが、射形を修正するときには射法八節をさかのぼっていくことになります。
②弓を引くときに足幅によって、体のブレを減らすことができる!
 →電車やバスに乗るとき、直立ではしんどいですよね。
③弓道は射位に立つ前から始まっている!

では、細かく見ていきましょう。
①射法八節の一番最初の動作になる。
 勉強をするときももコツコツ進めることが大事ですよね。
 数学の問題を解くには、算数の足し算引き算…と段階を踏んで今に至っていると思います。
 射法八節を習得するにあたっても一つ一つ練習していくことが必要です。
 その一番最初の動作ということは、一番基礎となるのが足踏みになります。
 別記事で書きますが、射形を修正するときには射法八節をさかのぼっていくことになります。

②弓を引くときに足幅によって、体のブレを減らすことができる。

 ・足踏みが広いと左右に強いが前後に弱い
 足の幅をすっっっごく広げて立ってみてください。横から押されたときのイメージをしてみると、力で押し返しやすいと思います。
 次に、そのままの状態で後ろから押されるイメージをすると、倒れそうです。
 ・足踏みが狭いと前後に強いが左右に弱い
 足の幅を狭めてください。横から押されたときのイメージをしてみると、倒れそうです。
 次に、そのままの状態で後ろから押されるイメージをすると、耐えれそうということです。
 →一般的に矢束の長さぐらいといわれいます。が、身長体格等個人差があるので、自分にあった幅をみつけてみてください。

③弓道は射位に立つ前から始まっている。

 例えば、足踏みの左足がすごく前、右足がすごく後ろになってしまったら、体をひねる必要があり的を狙いにくいだけでなく、体も辛くないですか?
 これは、弓を引く(的を狙う)上で、不必要な力を使っていることが原因です。 
 通常、天井からみたとき両肩をつないだ線と両足がつないでいる線は平行になっていると思います。
 弓を引くときも自然を保つ意識をしましょう。無駄な力なく弓を引けていれば、自然は保たれます
 (無駄な力なく弓を引ける頃にはこれはできるようになっていると思いますがそこにたどり着くまでの段階として、)両足の線が的に向いていることを意識しましょう。
 実際に弓を引いているときに足を見ることはできないので、射位(弓を引く場所)に入る前の的を正面から見ることができる間にしっかり足の位置を決めましょう。

まとめ
①足踏みは射法八節の基礎
②自分にあった足踏みの幅を見つけることで、ブレの少ない土台を作れる。
③射位に入る前から足踏みを意識する

足踏みの基礎は次の射法八節、胴造りにつながります!
基礎があっての次です!!

弓道の技術をつけるために、弓道の公式教科書の『弓道教本』は必ず手に入れておきましょう。
教科書や参考書なしに勉強ができるようになる人はいませんからね。
相当変な人ではない限り”第1巻”のみで問題ありません。以下にリンクを貼っておきます。
(「足踏み」「胴造り」「弓構え」「打起し」「引分け」「」「離れ」「残心(身)」)

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弓道教本の内容が理解できないという人は副本の購入で理解が出来るのでオススメです。
以下、教本の内容を見ていきます。

 弓を射る場合、その基礎となる最初の足の踏み方-足がまえ-である。
矢が正しく的に中るためには、まず正しい姿勢を作ることが必要で、そのためには正しい「足踏み」をしなければならない。単なる足開きではない。
ー中略ー
 このとき開く両脚の膝関節は常に自然に伸び、足底を台地に踏みしめ、腰を据え、下半身を安定させ、「胴造り」の基礎とする。

『弓道教本 第一巻射法編〔改定増補〕』財団法人全日本弓道連盟編

前段で的中させるために、正しく引くために、本当の最初の準備が「足踏み」であることが書いていますね。後段には”腰を据え”というところからも「胴造り」に続くというこの動作の重要性がうかがえます!

 弓道の試合を観に行ったことのある人は普段練習している「足踏み」とは少し違った動きをしている人がいることに気付いた人もいるのではないでしょうか??
 「足踏み」には2パターンあり、全日本連盟はどちらで行っても良いとしています。が、各団体で統一していることも多いので指導者の方針に合わせることをおすすめします。

二つの方法がある。そのいずれを行ってもよい。

(一)的を見ながら左足を的に向かって半歩踏み開き、次に右足を一たん左足の辺にひきつけ、右足へ一足で扇型に踏み開く。この場合、足元を見ないで行う。

(二)的を見ながら、左足を的に向かって半歩踏み開き、次に目を下に移して右足をこれと反対に半歩踏み開く。

『弓道教本 第一巻射法編〔改定増補〕』財団法人全日本弓道連盟編

(一)を礼射系の一足開き、(二)を武射系の二足開きと表現することもあります。一足開きは視線をそらさない無駄のない開き、二足開きは目線をそらせるものの確実に両脚をそろえる「足踏み」となっています。どちらもかっこいいですね・・・

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