「打起しで矢が上を向く」
「弓が傾く…」
いよいよ弓の引き始めです。
足踏み〜弓構えで意識していたことを継続して、次の八節に入っていきます。
(「足踏み」「胴造り」「弓構え」)
打起しのポイント
①両拳、腕、肩に力はいれない
②馬手で上げるイメージ
③弓が傾かないように打起す
弓を実際に引くための動作の最終段階ともいえます。どうすれば弓を引きやすいか、どうすれば同じ動きを繰り返し出来るかを考えてみましょう!どれだけ的中していても打起しまでの技術がないと、初心者に見えてしまいます。足踏み〜打起しを練習して、ベテラン感を出していきましょう!
① 両拳、腕、肩に力はいれない
弓構えまでの段階で既に力は入れてないと思いますが、これも継続です。力が入ると肩が上がったり、動きがぎこちなくなります、これが初心者っぽく見えてしまう秘密です。
コツ:きれいに引こう・的中させようと気負いせず、楽に力を抜いてください。
打起しで力が入っていると、これから身体に負荷がかかっていく過程で、更に力が入っていきます。気楽にゆるりと。
②馬手(右手)で上げるイメージ
「打起しで矢が上を向いている」と言われることはありませんか??
弓手(左手)は力を抜いて、馬手(右手)につられるように、上げましょう。(念の為:馬手も力を抜いて上げてくださいね。笑)
弓手はつられて上がるだけなので、馬手よりも若干低い位置で止まります。自然と矢が上を向かなくなりますね!
③弓が傾かないように打起す
左右の手の力を可能な限り抜くと、弓が地面に垂直に刺さるようになります。(打起しの段階では弦が垂直になる意識の方が分かりやすいです)
拳中心ではなく弓の重さを感じながら真っすぐ上にあげましょう。鏡を見ながらやってみると多少の角度の誤差も修正出来ます。五重十文字を意識してみましょう。
まとめ
①力は入れず楽にだら~んっと!今まで意識してきたことを忘れないで!
②馬手(右手)で上げる!!
③弓を傾かないように上げよう!
足踏み〜弓構えを引き継いで弓の引き始めに入りました!!
打起しで意識したことも次の引分けでも継続していきましょう!
(「足踏み」「胴造り」「弓構え」「打起し」「引分け」「会」「離れ」「残心(身)」)
「打起し」は弓を引き分ける前に弓矢を持った左右の両拳を上にあげる動作である。
ー中略ー
「打起し」の高さは約四十五度を基準とするが、年齢や体格などによって多少違いがある。
『弓道教本 第一巻射法編〔改定増補〕』財団法人全日本弓道連盟編
「打起し」の際は精神身体ともにゆったりと伸び伸びした気持ちで、気息(きそく)を整え「胴造り」のくずれぬよう、また拳に無用な力を入れぬように、矢は常にほぼ水平に且つ身体と平行に、両肩は下に沈むように注意しなければならない。あたかも太陽が静かに昇る境地、無風帯(むふうたい)の日に空に煙がゆったりと立ちのぼる風情で、呼吸に合わせて静かに打起こすことがよい。
「打起し」の前段では、ただの動作が書かれているだけで、後段では曖昧(あいまい)な例えが書かれているだけになっています。さらには、年齢や体格によって違いがあるとまで…。正解がないということですね。最初にもお伝えしましたが、「打起し」は弓を実際に引く最終準備段階です。ここで細かく正解があれば、骨格が合わない人には弓道はするな!と言ってしまうようなものですね。
「打起し」にはある程度の自由ドがありますので、「引分け」がしやすいように両拳を上げましょう!ただし、「足踏み」から積み重ねてきた基礎を無駄にしないよう射法八節が一連の流れであることは忘れずに一つひとつ確認しながら準備を完成させてくださいね!!
ちなみに後半の「あたかも太陽が~」という例えについては、この文章に風情や趣(おもむき)を感じる!で思いは終わりますが、余計なことを考えず、力を全く入れずにゆるりと拳をあげて、呼吸を意識するんだよ!ということをオシャレに伝えてくれているのかと思います。
呼吸が重要だということをしれっと教えてくれているこの意味ですが、人は呼吸を吸うときよりも吐いているときの方が筋肉を緩ませやすいよ!吐く意識の方が無駄な力が入らないよ!と教えてくれているのだと思います。呼吸については、別記事弓道〜ヨガの呼吸法を利用しよう〜を参考にしてみてくださいね!
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