「どこまでの動作が弓構え??」
「的を見る動作って何で必要?」
「この動作がなぜ射法八節に組み込むの?重要なの?」
弓構えは動作がいくつかあり、複雑ですよね。
足踏みと胴造りを継続しつつ、ここでも重要な役割があります。
(「足踏み」「胴造り」)
弓構えのポイント
①弓構えは、弓を引くための準備の時間!
②手の内は弓道の中でもっとも難しい
③取懸けここですべてが決まる!!
では、細かく見ていきましょう。
①弓構えは、弓を引くための準備の時間
どこからどこまでが弓構えか分からなくなったときは準備の時間と考えましょう。
弓構えは⑴取懸け⑵手の内⑶物見で構成されます。
⑴取懸けのポイントについては②で時間をかけてお話します。
⑵手の内の大まかなポイントについては③でお話しますが、
弓道で非常に難しいテクニックが必要となります。
⑶物見は弓道を楽しむ上で大切なこと!!
②取懸けここですべてが決まる
・弽の控(かたいところ)は腕に当たるようにする。
弓を引いているとき、馬手(妻手・右手)を見ることはできません。そのため手首の角度は感覚で知るしかありません。そこでお助けアイテムとしてでてくるのが、この弽の控えです。また手首のサポートにもなるので、けがをしないためにも意識していきましょうね!
・帽子(親指のかたいところ)の中で親指はそらす
細かい指導を受けてなかったり、指導する側もうっかり忘れがちなポイントです。親指はそらすことを忘れていると弓を引いているときに無駄な力が入って握りこんでしまうことに繋 がります。その癖も弽は正直に形としてついてしまうので、注意しましょう。
・正面打起しの場合、左右の腕は同じようにする
正面打起しの場合、体左右のバランスが非常に大切になります。
よく巻き藁を抱くような形というのは、左右同じにするためのワードですね。
ポイント:⑴肘を張る⑵肩を下げる
肩の力を抜くという表現がありますが、骨格的な問題もあり力を抜けないこともあります。
そのときは、肩を下げればそれでいいです。
肩を下げることが難しいときのイメージとしては、斜め後ろ下に肩をもっていくということです。
男性の芸者さんが女性を演じるときに肩幅を狭く見せるという技術としても使われています。
③手の内は弓道の中でもっとも難しい
手の内は「手の内を明かす」というように、自分の手のひらを見せるというところが語源となっています。そのため、弓の名手は決して手のひらを見せないようですが、それほど弓道の技術がココに詰まっているということですね。
ポイント⑴一度作った手の内は絶対に崩さない。
大三や会で手の内を動かしたり緩めたりしないこと。会に近づくにつれて手のひらの皮が引っ張られて痛いと思います。でも崩さない!!せっかく弓構えで作り上げた意味がなくなります!
ポイント⑵握り皮は定期的に変える。
握り皮を変えることで、手の内のすべり止めにも、手・弓の保護になります。テニス選手もラケットグリップを巻いていますよね。
虎口(親指と人差し指の間の水かき)が引っ張られるのは、角見が効いている証拠です。
でも、他の場所が痛くなるようでしたら、手の内の作り方を見直してみるといいかもしれません。
手の内の作り方については、別記事にしようと思います。
④おまけだけど最も重要なこと!!
取懸ける前に一見的を見てるだけの動作がありますが、この動作とっても大切です。
動きとしては、弓の上弭(うわはず)→下弭(しもはず)→中仕掛け→矢をたどって→的
の順に”確認”していきます。
これは、自分の道具に問題がないかを確認する作業です。
道具に破損があれば危険ですからね。
みんなで弓道を楽しむ中で事故のないようにしっかり確認しましょう。
まとめ
①取懸けここですべてが決まる!!
②一度作った手の内は絶対に崩さない。
③物見は弓道を楽しむ中で最も重要なこと!!
次回は、実際に弓を引く動作の射法八節四節目 打起しを見ていきます。
足踏み・胴造り・弓構えをすべてキープした状態で次の動きをすること、意識してくださいね!!
(「足踏み」「胴造り」「弓構え」「打起し」「引分け」「会」「離れ」「残心(身)」)
いよいよ射の活動に移る直前の準備動作である。したがって、「足踏み」、「胴造り」による基礎体勢を保持しつつ、呼吸を整え気力を充実して動作しなければならぬ。
『弓道教本 第一巻射法編〔改定増補〕』財団法人全日本弓道連盟編
「弓構え」の中には、「取懸け」「手の内」「物見」の三つの動作が含まれている。
「取懸け」では、右手の前膊と弦が直角の角度であって、手首が曲がらぬように注意しなければならない。
ことに、「手の内」は弓の力をよく働かせ、矢の速度、貫徹力、飛翔力、集中力に影響する大切な技法であって、昔から「鵜の首」「紅葉重ね」「卵中」「握卵」等の名称があるが、要するに弓を固く強く握らず、あたかも卵を握るような気持ちを表現したもので、むずかしいことであるから、指導者について修練することが必要である。
以上の準備ができて、手首や肘は柔らかに物を抱くような気持ちで弓矢を保ち、それから頭を正しく的に向けて注視する。これを弓道の術語で「物見を定める」という。
ここでも呼吸を整えとでてきていますね。「呼吸」は昇段審査の筆記試験の内容にもなっていますが、学生時代は呼吸・・・?という理解でしたので悩みに悩んだ記憶があります(笑
前膊は前腕、弽の腕にあたる硬い部分と思えば理解しやすいでしょうか。
「ことに」という言葉は、書き手が伝えたい内容を強調したいときに使用されるので、ここで「手の内」がとっても大切であることが分かります。手の内の力を抜くことは腕をはらったり、弓を落としてしまう…という恐怖心がありますが、安定した的中と長く弓道を続けるにあたって重要です!!弓が落ちない程度に、手の内の形が崩れない程度に、弓を垂直に押しながら優しく弓を支えてあげましょう。
「足踏み」から「物見」までを完成した状態のことを「物見を定める」ということは、「物見」までの動作でできていないことがあれば、「物見を定め」られていないということですね!!
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