弓道~肘が下がらないときの対処法~

弓道~技術面の向上をしよう~

「どうしても肘が下がらない」
「目・鼻の高さで固定される」

 引分けの途中で特に馬手(右手)が目・鼻の高さから下がらなくなることがあります。早気(はやけ:会で反射的に離れてしまうこと)と処理されて終わってしまうことも多いですが、実は他に原因があります。

①力みの原因と対処法
②力の使い方を意識してみる
③三重十文字・五重十文字を意識しよう

①力みの原因と対処法
肘が途中からさがらない場合は、身体のどこかに強い力が入っている場合が多いです。

⑴引き尺が大き過ぎる
 原因:引き尺が大きいと大きな負荷がかかり左右のバランスが取りにくくなります。すると、腕や肩に余計な力がかかり、離れがという動きがしにくいです。(大三の形で肩と腕に全力で力を入れてみてください。体が動かないと思います。


 対策:「押した分だけ引く」を意識するときに、肩や腕がガチガチに力が入っていれば、大三で軽く押すようにしましょう。

⑵大三~会に近づくにつれて右腕に力が入る

原因:馬手(右手)の捻りが弱い
 徒手(としゅ:エア弓道)で馬手(右手)の甲(手のひらの裏側)を身体の正面に向けた状態で”会”の形をしてください。矢を口割の位置にあるようにイメージして位置を高くすると、腕や肩に力が入ります。力を抜いて自然にこの形をするのは、難しいですね。

対処法:次に馬手(右手)を肩の上に置きの甲(手のひらの裏側)を天井に向け、矢を口割の位置にあるようにイメージして位置を高くすると力があまり入らずに口割に合わせることができます。

 取掛けから馬手(右手)を反時計回りに軽く捻り、大三では、馬手(右手)の甲(手のひらの裏側)を天井に向けるイメージで捻り続けることで、口割に合わせることができます。

②”シンプル”を意識してみる
 余分に負荷がかかる動きがある場合は、無駄な動きをなくしシンプルな射形を目指してみましょう。

 結果として、余分な負荷がなくなり、力(りき)みが取れます

 ⑴大三(押大目引三分一)の馬手(右手)の位置 

 大三で馬手(右手)の位置は額の前あたりが基本です。それ以上弓に近づけると、大三~会の距離が長くなると距離が遠い分負荷がかかりやすいです。

 大三は 押大目引三分一(おしだいもくひきさんぶんのいち)の略です。押しは大目、引く力は3分の1を意識して、最小限の力にしましょう。

⑵引分けの角度

 大三~会を最短距離で一直線に身体に引き寄せることで距離が短くなり、負担が減ります。このイメージが難しい場合は、矢を近づけるイメージをすると視界に入っているのでより、簡単になります。

 ⑶引分けのイメージ

 弓道は左右のバランスが大切です。弓を押す方向と引く方向を合わせる必要があります。

 弓手(左手):的に向かって押す
 馬手(右手):弓手が押している方向の真逆に向かって、肘で横に押すイメージ



③三重十文字・五重十文字を意識しよう

三重十文字・五重十文字は身体のバランスを整えるときの重要なポイントを抑えた技術です。左右のバランスを整えることも無駄な力を使わない”シンプル”の近道です。

まとめ
①力が入る動きを理解しよう!
②無駄をなくして”シンプル”を意識しよう!
③三重十文字・五重十文字で左右を整えよう!

 なかなか改善できない癖があるときは身体に無駄な力が入っていることが多いです。余分な力をなくすことで、身体は自由に動くので、自然体を目指して研究していきましょう!!

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